あかしゃのいちご畑

あかしゃのいちご畑は福岡市西区糸島半島にあるいちご狩り農園です。当園開発品種(清香)を栽培しています。

農家のお医者さん

いちご農家へのアドバイスも行っております

どうしてド素人が、あまたいる生産者の中でトップランナーになれたのか

平成29年1月15日

2016年産苺の最終収穫量の予測が、年が明けると見えてくるようになります。
1月12日「あまおう」の生産者の所を回って来ました。
結果から言うと5人が7tを超えるであろう事が予測されます。
2015年産で、7.5tを収穫した、Fさんは確実に昨年を上回ろうと自信を示しています。しかしながら、Y市の4人は私の指導を受けて、1~3年と日は浅いのですが、Fさんの状態を上回っています。このまま推移すればY市では7t以上収穫してもベスト3に入れない可能性もある程です。
その中でも、今年初めていちご栽培を初めたOさんが頭1~2つ抜け出しています。
どうしてド素人が、あまたいる生産者の中でトップランナーになれたのか、その取り組みに付いて記したいと思います。
まず最初に、土壌分析の結果から全ての養分が過剰である。(硝酸態チッソ1.2mg)である為、無肥料として定植を4日遅らせてもらいました。又、畝立後畝の上にケイ酸鉄20kg/10a当たり散布してまらいました。定植後は徹底灌水(10時と3時)畝が乾かない様に管理し、9月は週1回フロリ源500ccフルボ25ccを灌水にて使用し10月に入ってからは、フロリ源500ccフルボ50ccにて使用してもらいました。
10月24日時点でおよそ3枚で2番花房が分化で、株出来している状態で多収になること確実な状態でした。
12月10日で2番花房は開花はしている状態でしたが、昨年7.5t収穫したFさんの様に株割れしている状態にはなっていませんでした。草丈を24cm以上にすると減少すると口やかましく私から言われる為に電照時間が短かすぎた様で、電照時間を倍にする様に指導しました。
※ 株割りとは、耳慣れない言葉と思いますが、株割りは、多収の重要な技術で10年以上指導しても、誰も出来ませんでした
しかしながら、フロリ源とフルボのサンドイッチ方式で、H町のFさんが初めて習得して4度もミスを犯しながら、7.5tを収穫したのです。
その方法とは、フロリ源とフルボをサンドイッチ方式で散布すると、苺はほぼ7日で展葉します。
電照の時間をうまく調整しながら管理すると、株がだんだん横に開いて株が割れた様になる事です。

平成29年1月12日Oさんのハウス

ラン球葉を出す条件とは

平成28年8月29日

2015年産苺は、全国的に不作で福岡県のあまおうも1~2割程度の減収となったもようです。そんな中にあって4割以上増収させた生産者もいます。
栽培開始前の土壌分の結果から、消石灰 80kg 硫酸カリ 40kg だけ投入してもらいました。
因みに、硝酸態チッソ 1.5mg リン 120mgで過剰状態でした。
この生産者Aさんは、2月までに4t/10aで、あまおうでは驚異的な数字を残し、最終的には7t/10a以上の成績を残しました。残念だったのは、草丈の調節が完全ではなっかたことで、これが完全に出来る様になると、9t/10aを超えるようになるでしょう。(4度のミスがあった)
2014年は大川市のBさんが、4月までに7.5t/10aを超えているのですが、Aさん・Bさんの共通点は、何かというとラン球葉が12月の初旬に出葉していることです。
ラン球葉とは、ラッキョの様な葉という意味ではなく、この葉が出るとクラウン部分がラッキョの様にぷっくりと膨らむことから、ラン球葉といいます。
この葉の特徴は、一般に上がって来る葉と比べて分厚く色が若干濃く、一目見ただけで地上部より地下部が勝っているのがわかります。
電照の調節により草丈を22~24cmで維持すると、「あまおう」で1株当たり
4パック穫りが可能(4月中~下旬、6番花房まで)になります。
(福岡県で指導されている様な、ジベレリン処理・電照開始では、たとえラン球葉が出たとしても、クラウン部分は膨らまず痩せていきます)

《ラン球葉を出す条件とは》

1.土壌バランスを整えること
2.定植後徹底灌水により低濃度の肥料を吸収させ地表面のすぐ下に枝根張らせること
3.畝の上にケイ酸を散布(20kg/10a)し、週1回フロリ源+フルボ10を灌水し株作りをすること
4.出雷確認後、ビニール被覆その後マルチ
5.フロリ源・フルボ10の灌水に加え、フロリ源・フルボ10の3日に1度の煙霧処理をすること。

このことにより展葉が7日に一枚展葉する様になり、2番花房の出雷前後に、ラン球葉が出る可能性が出てくるのです。
ラン球葉は、多収になる前の吉瑞の様なものです。

《セザン発売のその後》
特に重炭酸ナトリウムを含む水には効果が劣るようですので、水を変え使用して下さい
ミツバチ・マルハナバチに影響はありません

ダニ・アブラ虫でお困りの生産者の方

平成27年6月28日

農業生産者において、ダニ・アブラ虫はやっかいな害虫で、現在では薬剤抵抗性が発達して、これといった極めてが、ない状態となって来ています。そこで物理的にダニ等を殺す、ムシラップ、サフオイル等など使用されていますが、3~4日すると、又ダニが増えてくる始末です。
「セザン」の原材料となっているのは、すべて食することが出来ており、それに植物酵素の一種を加えたもので安全です。
セザン単体では全く効果は発揮しませんが・・・
逆に有機酸(木酢液・ストチュー)を同時に使用すると効果を落とします。又BT剤を同時に使用する事でりん翔目にももっと効果を発揮するのではとの提案もありますが、より安全でより良い作物を作る為に努力していきたいと思っております。
価格 1ℓ:6,600円(送料、代引き手数料が必要になります)

今年はうどんこ病が止まらない

平成26年12月21日

農薬を散布しても止まらないと、さわいでる様ですが、農薬は酸化させることで病気を止めるものですから、水のPHを下げて(木酢・クエン酸・フルボ酸等を混入して散布すればよく効くようになります。
唯農薬を連用するより?

《酢酸カルシウム、の作り方》
氷酢酸:500cc + 水:7ℓ に エッグカルシウムか、カキ殻カルシウム:500g入れて、2~3日置き、水:3ℓ 加えて、濾過して出来上がり。

「あまおう」の多収穫りについて

平成26年12月20日

福岡県南部の「あまおう」の多収穫りが、私が現代農業に記載された栽培法であることが知られ、有明海沿岸部の農家の間で記事が出回っているようですが、現代農業の記事と合わせてポイントとなることを書いてみたいと思います。

① 肥料は唯減らすだけでなく、土壌バランスを整える必要があること。この土壌バランスを整える事が出来る能力がある人が現実にはほとんどいません。

② 1月までに3番花房を開花させること、こうすることで2月10日前後になると休眠打破して、3番花房がうまく肥大し2月中に4番花房まで開花させることが出来るようになり、坪70パック以上を穫ることが出来るようになります。

③一般的指導機関では、ジベレリン処理を行い11月10日頃より電照を開始する様に指導されている様ですが、ジベレリン処理をすれば葉柄の寿命が短くなり、根に負担がかかり根の減少を招くという副作用が見落とされている様です。
電照は、一般的に何時間点灯という風に考えている生産者が多いと思いますが、苺というものは草丈25cmになると、次に上がってくる花房が小さくなると観察眼を持たなければなりません。現代農業誌上でも平気で草丈30cmなんてことを書いている状況に出くわしますが、観察眼が不足しているというか、収量が減少してしまうという感覚が麻痺しているというか何ともいえません。

④あまおうという品種は電照に過敏に反応してしまう品種であるにもっかわらず、ジベレリン処理、電照ということを何にも疑問に思わないで栽培している生産者が、高収量をあげるなんて夢のまた夢です。
草丈を22~24cmに押さえて展葉を早くするとクラウンが肥大して、多収になるということを誰も気が付かないなんて、ワサビ抜きの寿司みたいなものです。

《積算温度 これって本当?》

開花から収穫までは、積算温度で決まるといわれますが、これって本当なんですか、何か証明する手段でもあるのでしょうか?これって何の根拠もないことです。ただ証明する手段がないからです。
証明、フロリ源を週1回使用する場合と使用しない場合とでは、フロリ源使用の方が収穫が明らかに早くなります。しかも果実がより大きく品質も向上しています。これはフロリ源を使用すると展葉速度が早くなるからと思われます。
フロリ源使用でどれ程展葉速度が速くなるかという例で「さちのか」の生産者で3番花房が11月中に開花を始めました。「さちのか」は定植から開花まで1枚展葉するのにおよそ11日かかりますから、どんなに早く3番花が咲いても1月に咲けば早いほうですが、11月開花ですから普通では考えられんせん。これは、フロリ源の使用法を熟知している為に7日で展葉させている為にこのようなことが出来るのです。この生産者Kさんの苺は食味が非常に良いことと大きいことで大変有名です。

《土壌バランス》

PH 5.5 ・ NO³ 5.0 ・ P₂O⁵ 80 ・ CaO 300 ・ K₂O 57    MgO 58

これは神戸の生産者が送ってきた土壌診断の類値です
これは大阪のJ社が行ったもので、ランド・・・ランド・・・を投入 肥料・・・となっていました。
これを見て何が読み取れますか?

①花房間の展葉数が多い
②冬場に生育がストップする
③がく枯れがでる
④果実の肥大が悪い
⑤株が大きくならない
⑥チップバーンが出る
①②⑥は NO³ からわかる
③④⑤は K₂OとMgO の関係からわかる

私の処方は週1回亜鉛2錠にがり30ccカーボリッチ(重炭酸カリウム)灌水時まいに100~200gです。亜鉛で NO³とP₂O⁵ の抑制・にがりで亜鉛の副作用の抑制
カーボリッチで、MgO の過剰害の抑制とカリの吸収をよくする。
CO₂の効果で生育促進効果をねらう
カーボリッチはPHが低い場合は使用出来ますがPHが6.5以上では硫酸カリを使用したほうがよいでしょう。(PHが上昇するから) 実に安上がりなものです。(5千円程度) 
この生産者がJ社に支払った費用は30万円以上です。まるでボッタクリ!!

※チップバーンは一般的にカルシウム欠乏症であるといわれますが、カルシウムは充分あるのに何故と思われる生産者は多いと思います。
これは初秋から休眠打破する迄の期間に多くみられます。また、チッソ濃度が高い場合に多くみられます
苺はこの期間は肥料を選択することが出来ず、溶けている肥料をそのまま吸収してしまいます。そこで、消化出来るだけの量しか吸収しなくなり、この為水分不足が起こりチップバーンが発生すると考えられます。肥料濃度を下げるとチップバーンは、解消してしまいます。

《嬉しい報告をします。中国地方の生産者Kさんが家を建てました。》

この生産者は、大阪から越して来て農業を始められ、私のところにならいに来て4~5年で、しかも20aの面積でしかも難しいといわれる高設栽培です。特にここ2年間は成り始めから終了まで、ずっと成りっ放しだそうです。

そのやり方をここに公開したいと思います。

肥料1 メガソル2号:7500~7800倍
肥料2 硝酸カルシウム:14000倍
肥料3 フロリ源:10000倍 フルボ酸:20万倍
上記を 常に灌水
3日1度 フロリ源:100cc フルボ酸:20~30cc を煙霧機で散布
これを最初から最後まで続けるだけです。これをやるだけでどんな苺も馬鹿なり間違いなしです。

《嬉しい報告をもう一つ》

関西地方のHさんが清香を栽培して一株当たり手取り2千円を達成しました。水に問題がある中で、よく頑張ったものだと思います。Hさんは清香栽培が今年で5年目で、水の問題も解決する方法で今年は2千500円を目指すそうで、3千円まで頑張るといっています。
HさんもKさんのやり方に変えられた為もっともっと収量・品質が向上し、3千円どころか4千円まで頑張ってもらいたいものです。

「清香」「あかしゃのあま香」について

平成25年3月14日

21世紀に入ってぞろぞろと、いろいろな苺が登録されていますが、新規性がある苺がどれ程あるのでしょうか?食味しかり耐病性しかりなのでしょう。
ここで紹介する2品種は今までにない新規性を有した品種です。

《No.1 清香》

特徴1 うどんこ病に対して非常に強く、育苗時カルシウム剤を散布するのみで無殺菌で栽培することが出来ます
特徴2 「さちのか」「とちおとめ」と比較して、約5割大きくしかも弱小果がない為,摘果作業の必要性がなく、しかも6番花房までの収穫個数が2割程多収である。
特徴3 果実硬度が「さちのか」より硬く日持ちにすぐれる。
特徴4 福岡の代表品種「あまおう」と比較して先端部分で5度、へた下部分で7度、糖度が高いだけでなく、その食味はいちご4:桃3:さくらんぼ2:マンゴー1の割合で食べているような味で、しかも後味がくどく残る様なことがなく、非常に上品な味である。それを裏ずける様に東京の料亭で使用されつづけて来た経緯があり、又、日本の最高級果実店、S屋全店で販売して行きたい意向である。

この品種は「清香」の高級品種のブランドをまもる為に許諾を制限して来ましたが、許諾の要望が多いことから、多くの生産者に販売することにしました。

《NO.2 あかしゃのあま香》

福岡の品種「あまおう」は名前に反して、生産者も消費者にも、味の面で地元では不評でして、うまい「あまおう」を作るべく、高糖度苺「清香」に「あまおう」を交配して、2011年に作出したのが「あかしゃのあま香」です。基本的に全ての面で「あまおう」を上回っていると思われますが、育種から日が浅いことから、正確なことはわかりませんが、わかっている範囲で列挙したいと思っています。

特徴1 うどんこ病がでない。
特徴2 「あまおう」と比較して3~4割大きく「あまおう」の様に弱小花の摘果の必要がなく、最小果が10g程度である。
特徴3 「あまおう」より果実の先端で3度、へた下部分で4度、糖度が高く「あまおう」の様に後味に苦味を感じることはないが、基本的に「清香」の食味を継承しているとは言えない。唯、数年後はもっと食味が良くなる可能性は有している
特徴4 果実硬度が高い為日持ちが良く、輸送性に優れる。
特徴5 色は「あまおう」に比較して、明るい色合いであり、しかも光沢にも優れる為高級感がある。
特徴6 電照に対して反応がよく、低温度下でも伸張性がよい。
特徴7 展葉速度が「あまおう」に比較して1~1.5日速い。
    許諾料 「清香」 8万円
        「あかしゃのあま香」 5万円
         苗 最低ロット 50本(1本:500円)

「清香」「あかしゃのあま香」を県の主力品種として推進する県がある場合は、品種を維持する経費のみで、県に許諾する用意があることを記しておきます。

いちごの生産者の一番の悩みを解決!

平成24年12月23日

いちごの生産者の一番の悩みは、展葉が止まる(芯止まり)と、連続して花房が上がってこないことだと思います。
いろいろな資材を使っても、夜間温度を高くしてもだめ、ジベレリンを使用してもだめ、この二つがうまく行きさえすれば、大幅な増収が出来るはずなのにどうして?、意外と簡単簡単なことです。

問題の第一番は、マルチが早すぎること
マルチが早いと花成ホルモンというホルモンが、増えていない為開花ができない。又、開花はしても受粉や果実の肥大が上手くいかない為、いちごが花成ホルモンが増えるの待つ為に停滞がが起こるのです。
二番花がなかなか上がってこない人は、マルチはビニール被覆後、出蕾を待ってからするとこれを解決することが出来ます。

問題の第二番は、土壌中のチッソ濃度が高い場合
いちごがチッソを消化できない為に、水を多く吸収しなくなり芯止まり現象が起こるのです。
その解決策は、こまめに灌水を行い(決して液肥はやらない)、フロリ源の灌水と葉面散布を行うと7~9日で展葉する様になります。

問題の第三番は、温度管理・特に2~3時頃の温度が低い場合
いちごは冷気を受けると、植物体に水を含まなくなる為に、だんだんとわい化して行きます。この場合もフロリ源の灌水と葉面散布で回復させることが出来ます。
冬場の芯止まりは、第一はマルチが早い為に起こるものです。
フロリ源は、展葉も速くするし、果実もより大きくもしますし、まるちが早いとその効果が半減してしまいます。自然の摂取をよく理解して管理すれば、大幅な増収を実現することが出来る様になります。

目で見える程効果を発揮させるには

平成24年12月16日

フロリ源を使っているのに、10月頃に停滞が起こったという生産者から連絡がありました。又、11月にも起こったそうです。そもそも10月・11月頃に停滞が起こることの方がおかしいのです。この頃は最も生育が旺盛になる時期に停滞が起こるのは、カルシウムが不足しているからでカルシウムは最も細胞分裂が旺盛な部分に移行して使われますが、夏場ではランナーの先端部分や苗の芯葉に欠乏が出て部分的な細胞の壊死が起こり、そこに病原菌が付着して病気を引き起こし、秋からの停滞を引き起こすのです。カルシウムを効かすのは意外に難しくて一般的にカルシウムを散布しても効果が見られないものです。
目で見える程効果を発揮させるには、カルシウム剤+フロリ源+BSフロリ源+フルボ酸ではっきり解るほど効果が現れます。何故かというと、フルボ酸を使うことによって、分子を小さくして吸収が増すためです。

もう少し栽培管理に疑問を持ちましょう

平成24年12月15日

12月12日に県南(筑後地方)のあまおう生産者の圃場を回って感じたのは、指導機関の指導要綱に何の疑問も感じずに管理していることです。
温度管理が低すぎる為に展葉速度が遅くいる人、ジベレリンを何の疑問も感じずに使用している人、電照時間を株の状態に合わせて管理していない人等々です。
ジベレリンを使用すると葉の寿命が短くなり、又、根が減少してしまうということにもっと留意すべきです。又、草丈が25cm以上になると花房が細くなっていくことを、よく観察すればわかるはずです。又30cm~35cmになれば上がってくるばずの花房が消滅することもあるのです。
10年来の交流があるAさんは、ジベレリンは不使用電照は11月20日から2~3日つけただけで、後は切りっ放し、葉っぱをささえる紐なし、2番花房も当然開花し、年明けには3番花房の開花2番花房の収穫が開始されるのは間違いない状況です。ある生産者に聞くと5月の収穫終了は4番花房までだそうです。Aさんの場合は3月中旬が4番花房の収穫終了でしょう。
栽培管理の仕方でこうも開きがでるのです。もう少し栽培管理に疑問を持ちましょう。

常識のウソ

平成24年12月6日

いちごは花が咲いて収穫までの期間は積算温度で決まると言われています。
それで、指導機関では温度管理を高めにすると小玉で熟れてしまうと言うので、低め温度管理をして日数を稼げば、玉が肥大すると思い込んでいる生産者は多いと思いますし、これって本当のことなんでしょうか?。
例えば、フロリ源を流す圃場と流さない圃場を設けて比較すると、フロリ源圃場の方が開花から収穫までの期間が1週間~10日程収穫が早まり、しかも果実の大きさが一回りも大きくなります。これは細胞単位に入り込んで細胞のキャパシティを大きく変えているからです。又、しかもフロリ源をフロリ源を使用することによって糖度が高くなる(一日後には解るほど)展葉速度が早くなる等・葉の色つやが良くなる等・目で解るほどの効果が現れます。なんとなく効いている様な気がする、今までの資材とは違って速効的に効果が現れる資材なのです。フロリ源はすみやかに吸収されて、細胞単位に効果をもたらす資材なのです。

《萎黄病》
萎黄病は農薬をかけても直らないと言われていますが本当なのでしょうか。

《玉ねぎのベト病》
お客様からのお手紙 Y農園様(ご注文ありがとうございました)
いつもお世話になっております。厳寒期の生育停滞を緩和したくフロリ源を注文いたします。
お蔭様でここ最近イチゴの花芽は葉4枚以下で連続するようになってきました。以前のように収穫の山と谷が激しいということはなくなりました。又、病害虫の消毒の負担も大分減りました。

無仮植育苗について

平成24年2月5日

無仮植育苗の事を書いたら興味をもたれる方が増えて来た様なので・・・
参考までに・・・現代農業に十数回にわたり連載されていますのでそちらを参照されて下さい。
無仮植で炭疽病をださないポイントは、土壌中のCaOの値を250mg~300mgにすること。
育苗期後半、盆過ぎ頃から酢酸カルシウム・フルボ酸2000倍~3000倍でカルシウムを吸収しやすくして散布することです。又、無仮植であることから肥厚期定植することが出来ることと、又、肥料成分の多い圃場でも花房の乱れがすくないことなど有利な点がいっぱいあります。

《SC1000について》
SC1000は植物に含まれる洗浄成分で化学的に作成されたもので安全な洗剤として、又、有機農業者が展着剤としての目的で使用されているようです

◎ホワイトリカー:1リットル ◎竹酢:1リットル
◎とうがらし:100g    ◎にんにく:2球
◎糖蜜:200cc

以上をミキサーでつぶし2週間漬け込み濾します
ニームを使う時油分を分離しない為よく効くようになるなど・・・

リン酸についての追加

平成24年2月2日

私が考えるリン酸の働きとは、車でいうところのガソリンだと考えています。
植物は光リン酸化反応で核酸物質であるATPを作り出し葉緑体に貯蔵され、それが活動に応じて分解されADPになりAMPになりさらに分解されRNAとなって利用されていきます。
ATPは光合成産物とリン酸等が化合して作られるものですから、光合成が飛躍的に増大しない限りリン酸の吸収を高めることはできません。そこで光合成を飛躍的に高める為に開発されたのがフロリ源です。フロリ源を1年間使用し土壌検査をすると20mg~30mg程度リン酸値が減少した事例をよく耳にします。
これはフロリ源がいかに光合成を高めて、リン酸を多く吸収させたのかの証左だと思います。
唯、フロリ源の働きが光合成を高めるのはほんの一部分にしか過ぎないことをお断り致します。

リン酸について

平成24年2月2日

一般的にリン酸を施肥すれば根を張らせ、花芽分化を促進する様に思われている生産者は多いと思いますが、実際の現場でその様なことが起こっているのでしょうか?
例えば、いちごの育苗期後半にリン酸肥料を施して花芽分化促進に使われているようですが、これはリン酸がマイナスの電気を帯びている点を利用したもので、マイナス電気を帯びている硝酸態チッソと電気的拮抗作用を利用して、チッソの吸収を制限して花芽分化促進しようとしたものにすぎません。
リン酸を施肥すると根が張るというのも事実ではありますが、過ぎたるは及ばざるがごとしという諺がある通りで、一般的に思われている程にリン酸は植物には吸収されません。

植物の養分の吸収比率を表すと

チッソ・カリ(15)カルシウム(11)マグネシウム(3)リン(2)

で意外に少ないのです。
実際に土壌分析をしてみると、乾土100g中・200mg~300mgはざらで600mgを超える生産者も少なくありません。リンが200mgあるということが、どういうことかというと、すぐに吸収出来る状態のリン酸が、10a当たり200kgあるということです。
これはいちごで言えば100年間分のリン酸が圃場の中にあるということです。ある生産者は200mg以上ある時は、根が張らずに収穫する果実の品質は悪く収量もあがりませんでしたが、100mgを切るようになると、根張りもよくなり収量は上がるようになり品質も良くなったと語っています。

これはどういうことかというと、リン酸が過剰にあると
メシベ周辺の生育発達の為には亜鉛が必要であり、オシベの生育発達には苦土が必要です。いちごでいうとリン酸過剰の圃場では亜鉛の吸収が悪い為に、いろが鮮やかにでないでピンクがかった苺なります。
又、ひどい場合は花托(果実になる部分)が退化した花が咲く場合もあります。
又、チッソ過剰の場合は苦土の吸収が悪くなる為、オシベの色が薄くなり稔性が悪くなり受粉がうまくいかなくなり不稔になることもあります。草丈が伸びすぎれば花房は弱くなっていくし、又、展葉が遅くなり葉柄が硬くなれば玉伸びはしなくなり収量は上がりません。これは「清香」だけに限ったことではないのです。全ての苺に当てはまります。

現在では高設栽培が増えて来ましたがなかなか上手く食味が出せない、奇形果が出る出蕾してくれない展葉が止まる等々が、大きな問題として挙げられる様です。温湯管も配備して暖房も高めに設定しているにもかかわらずです。これらの問題は全て肥料の濃度と配合割合にあります。高設栽培においては養液の善しと悪しによって大きく左右されます。
先ず植物の吸収割合にあうように肥料を配合することと、その前に灌水に使う水の水質検査を実施し含まれる成分を知ることが大事です。配合が出来たらN成分で灌水中に含まれるNO3の濃度を22~27ppmにするとほぼ上手くいくようになります。30ppmまで上げると食味に雑味が出てきて展葉が悪くなりだし、35ppmまで来ると止まってしまう事があります。実に100万分の8の値が天国と地獄を分けてしまいます。又、高設栽培にはフロリ源は絶対不可欠です。必ず答えが出ます。

余談になりますが苺栽培で重要な要素は苗作りですが、現在一般的に行われているポット育苗をどんなに上手く管理しても、私が指導し行っている無仮植育苗に勝てる要素は皆無じゃないかと思います。最初の頃は定植後の管理が上手く出来ていなかった為差がなかったのですが、現在では出蕾時に勝負がついている状態です。苗の株の状態のボリューム感がまるで違ってしまっています。
同じ条件で栽培した場合を比較すると「清香」では2番花房までで300g、4番花房までで500g程度の差がつくのじゃないかと思います。又、地床での育苗は炭疽病・萎黄病が恐いという理由でポット育苗が行われるようになりましたがあちこちで苗不足がおこっています。
これはポットと地床では、地温が10℃も違うこともある(ポットの方が高)為Caの吸収が悪くなりCa欠乏からくる病気の様に思われます。ポット育苗は根域が狭い、又、常に灌水が行われる為耐病性が落ちる傾向にあります。

カルシウムについて

平成23年9月29日

肥料の3大要素はN・P・Kといわれますが、肥料の吸収比率はN.K15:Ca11:Mg3:P2で実はCaは3番目に多く吸収されています。NP・K・Mgの欠乏症は古い葉に症状が現れますがCaは成長の著しい部位に現れます。特にNが多く吸収された時Caの欠乏が多く見られます。
苺の場合苗作りの時肥料が効いたと思った途端に、炭疽病・疫病等が多発した場合なんていうのは、Nを多く吸収すると有機酸を多く産出します。この有機酸を中和するのにCaが必要であり、Caが充分でないと有機酸が細胞を傷つけて、そこから病原菌が侵入して病気の多発となってしまうわけです。
健全な苗を作ろうと思うなら吸収しやすいCaを上と下から施すことです。よく吸収するCaを与えると殺菌剤は不要となります。私たちのグループでは殺菌剤不使用者は何人もいます。

《☆いちご 清香の不思議》

清香という苺は2週間成らせ放してでも腐らなし、糖度はしばしば20度を超えるし周りの苺が真っ白くうどんこ病におかされてもうどんこ病がでないし、10a当たり7~8t収穫しても誉めてもらえない。育種をした私にとっては当たり前ことですが・・清香の苗を大学に持ち込んで清香と他の苺の数倍のCa保持していたそうです。清香が一般の苺と比較して数倍もCaを保持していたとは驚きです。Caの吸収量が多いとは思ってはいましたが、調べてみなければわからないもなですね。
考えてみると紅ほっぺ・さちのか・さがほのか・等々が炭疽病・うどんこ病に弱いのは、Caの吸収量が低いことと一致しているとは妙に符号していますね。

ガス障害について

平成22年1月7日

いちご栽培でマルチ前までは元気がよっかたのにだんだん勢いがなくなってきて、最悪の場合枯れて来てしまったなんて話を時々聞きますが、これはガス障害が考えられます。

ガス障害 ①薬剤が残っている場合(ピクリン・バスアミド)
     ②アンモニアガスが充満している場合

①に対してはミラクルクリーンやフルボ酸等で解消できる。
②に対しては汚泥堆肥(硝酸化成菌が豊富なものにかぎる)+光合成細菌で解消できる。

カリ肥料やカリの入った資材等を使用すると果実の肥大がよくなるなどの話を聞いて、それを使用した結果作物の生育が悪くなった。悪い場合はだんだん作物が縮んだ様になって、生産力が落ちてしまったなんて事を時々聞きますが、これはカリとカルシウムの拮抗作用で、カルシウムの吸収が悪くなりカルシウム欠乏を起こした結果だと考えられます。初期にはカルシウム資材を散布すれば直りますが、症状が進むとフルボ酸を加えないと直らなくなります。早く直したい場合はフロリ源を加えると早く直す事が出来ます。

現在いちごにかかわらず栽培指導しています

平成21年12月5日

いちご栽培を約30年いろいろな問題に出会い研究・試験を繰り返して、現在いちごにかかわらず栽培指導しています。
野菜全般・花(ばら)・イチジク・とまと等農家で栽培するものは基本的には同じだと思います。
バランスの良い土づくり、バランスの良い肥料と言う事だと思います。
現在資材開発しているフロリ源の使用での成果、又、これは面白いと思われる事を綴ってみたいと思います。

先ずは、イチゴ農家の方で収穫後必ずBSフロリ源をスイングでの散布です。継続は力なりかな!!
私と知り合って4年目で家を新築されました。
ばら農家の方はバラ部門だけではなく切花部門で、日本一の実績を上げられ農林大臣賞を受賞されましたこれはSS磁石との相乗効果と肥培管理のたまものと思います。(フロリ源は花にもよく効くのです)

《ちょっと面白い話》
玉ねぎに3000倍で散布した所、10日後には姿を変えてしまって本人もそれを見た人もビックリ、結果的に10a当たり9tを収穫、7t取れれば恩の字の所で2tの増収したので、イチジクにもフロリ源を散布10年木で前年度は副葉も上がらなくなり、あまり収量も上がらなかったそうです。ところがフロリ源を散布したイチジクは業者の方が、今年のイチジクはいいね!と言われる程になったそうです。
2年前にふろり源を知っていたら、改植しないですんだのにと大変残念がられました。又、改植されたイチジクが梅雨前に炭疽病が出来て、どうしても止まらないので何か手は有りませんかとの事で(イチジクに炭疽病が有る事を知らなかった)そこで、私の提案はミネフミン(貝化石)を株元に散布してもらい、BSフロリ源1000倍・ミネフミン400~500倍で散布してもらいました。

結果は見事に炭疽病が止まりました。

どうしてカルシウム資材のミネフミンとBS(バイオ・コントロール・システムの略)で炭疽病が止まったのかいうと、植物はカルシウムが不足すると成長の著しい部位の細胞が壊死(全部じゃなくても一部)し、そこから病原菌が侵入してきて病気を発病してしまいます。吸収しやすいカルシウムをBS(病原菌を殺すのではなく、繁殖しにくい環境を作る)を散布する事で炭疽病が止まるのは、病原菌が多少いても細胞の壊死が起こらなければ病気は発病しないと言う事です。特に炭疽病や疫病には消石灰や苦土石灰は使用しない方が無難です。理由は炭疽病や疫病と拮抗して繁殖を抑える働きをする菌を減らす恐れがあるからです。
ただし糸状菌で起こる病気に対しては、アルカリ系のカルシウム剤でも効果はあると思いますがそれは土壌や水系とのからみを考えた上での事です。